小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2008-03-24から1日間の記事一覧

続・狂二 波濤編 6

三月も半ばを過ぎると家島の海に穏やかな陽光が、 降り注いでいた。 朝晩は冷え込むものの 昼間の海水温は暖かだった。 時おり跳ね上がる波しぶきでも、ほてった頬に心地よい。 遠くに見える四国の山あいの稜線が 青く煙っている。 空は夏の空の様に どこま…