小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

続・狂二 波濤編46

マツ島消防団団長の大沢の指示で 携帯基地局の応急修理を何とか終えた島の電器屋 渡辺三郎は 胸ポケットの携帯を取り出した。傍らで 修理の手伝いをしてくれた 大沢の甥っ子 鶴野健太と彼の仲間らが心配そうに覗き込む。フリップを開ける・・・「ヤッター 三…

続・狂二 波濤編45

着込んだ雨合羽が風に揺れた。気が付けば和船を繋いだ浜まで一目散に駆けていた。荒れ狂い始めた波で洗われる浜辺には 勿論人影どころか、一羽の海鳥すら居ない。“よろず屋、彦さん”から サヤカの乗る通学船が不審な二人組みに乗っ取られたのを知ったコウジ…

続・狂二 波濤編44

監禁状況に置かれた家島中学職員室・・・体育教師の立岡正治は3年生の南俊介がしきりに目配せをしているのに気付いた。南は小柄だが、少林寺拳法ニ段の持ち主で島内だけでなく、兵庫県全体でも上位の成績を収める程の腕の持ち主だ。 拳銃を持った不法侵入者…