小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

続・狂二 波濤編58

「みんな 乗り込む前に 再確認や」大沢団長が オイルタンカーの設計図を元に書いた簡単な見取り図を見せた。「ここがハウスつまり事務室やら乗員の為のベッドルーム、食堂がある、ハウスの真上が ブリッジ 操舵室や」「じゃあ我々は ハウスに?」「多分それ…

続・狂二 波濤編57

「大沢団長あてに FAXが来てますけど」渡辺電気店の店主が 民宿はせ川にやって来た。「おう すまんな 電話回線殆んど直ったんやな」回線ぶった切ったこいつ等から 修理ポイント教えてもらいましたんで。。渡辺はキムらを指差しながら、FAX用紙を手渡し…

続・狂二 波濤編56

「ワッタム ナウ!」壁側向きで横になっていたローレンスが突然起き上がり叫んだ。対策を協議していた一同 振り返る。「あーん、おいキム、何言ってるんや 早よ訳せ」ヒロシが横のキムジョナンのわき腹を突っつく。「What time now・・・つまり 今 何時だ? …

続・狂二 波濤編55

コージ、高城常務ら一行に 捕獲され合流したキムジョナンの通訳により、自称イラン人 ローレンスの取調べはより一層進んだ。キムの横にへばりついたヒロシが怒鳴る。「嘘っぱちな通訳したら承知せえへんぞ。それに分かっとるやろなぁ、あん時の落とし前つけ…

続・狂二 波濤編54

外苑前から飛び乗ったタクシーの運転手は東北出身らしく、「お客さん 東京駅なら地下鉄の方が早くないだべか」如何にも朴訥を絵に描いたような初老の運転手だ。上着の袖を捲くった。腕時計は16時半少しを回っていた。山陰日々新聞 記者 寺島は 携帯のフリ…