小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミモザの咲く頃に その8

「ふー、ようやくローマが目覚めよったわ」荒々しく入ってきた常務が誰に云うこともなく、つぶやいた。ちらりと時計を見た。(はや、三時を回ってる・・・・イタリアはようやく朝なのか)「お疲れさまです」すかさず前村が冷えた麦茶を持ってきた。「おおす…

産経新聞、唯一の良識派

くそみそにけなす事の多い産経新聞の記事ですが、編集委員兼論説委員の田村秀男氏は別だ。日曜に編集委員持ち回りで経済講座のコラムを担当しているのだが、 田村氏だけが一貫して消費税の増税に対し反対されている。 ちなみに、新聞社としての主張も今のと…

ミモザの咲く頃に その7

「で、どやった」案の定、待ちかねたように昨夜の事を訊いてきた。ふといたずら心が芽生え、「ライラック、て言うんですねあの花」わざとじらし気味に切りだした。「え、ああ」「常務と同い年の祖母・・名前は美佐江さんと言います。美しいに、にんべんの左…

ミモザの咲く頃に その6

至福の2時間はあっと言う間だった。耳の奥からは鍵盤の音がまだ鳴り響いている気がした。応接室に上着と鞄を取るため廊下に出た時だった。「あのうもしよかったら夕食ご一緒しません?」上目づかいで美央が訊いた。思いもよらない言葉に初めて腹が減ってい…

ミモザの咲く頃に  その5

次の角を曲がると石坂家が見える。そう思うと胸が高鳴った。 高鳴りの原因は初めて習うピアノへの不安がほとんどだったけれど、一方でどこか期待する気持ちもあった。 ビルの谷間に建つ瀟洒な邸宅は静かに客人を待っているかの様子で、その空間だけが都会の…

とある本を読んでたら

「千円札は拾うな」の著者 ワイキューブ安田佳夫んところ倒産して居たのを知った。 やっぱりナァ って感想です。 千円札は拾うな の時 散々悪口を昔のブログで書いたから もしやその影響もあるかもね と心がちょっぴり痛みまする。