小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

しっかし、まあ

書いた自分が云うのも何やけど、 狂二シリーズ、読み出したら止まらない。 で、昨年の Nine.secシリーズの中で 実は この場面と、赤字の部分が 一等のお気に入り。(もち最初から狙ってなど居らず、書いてる途中勝手にキーボードが叩きだした) 山根監督…

ミモザの花が散ったあとに 16

「お客さん大丈夫ね?」ふいに頭の上で声が聞こえた。見上げると年輩の駅員がチリ取りと、箒を手に立っていた。早朝出勤のとき、決まって出迎えてくれる顔。色黒の。だが、いつも苦虫を噛み潰したような不機嫌まるだしで。。。ベンチでうなだれたままの客に…

ミモザの花が散ったあとに 15

便せんの上に、さきほど引きちぎった封筒の先っちょが滑り落ちた。 え。いつだったか前にもこんなコトが。。。とあれこれ記憶をたぐり寄せる。 あ、長澤。。。あの夜。雅恵からの・・・ もう1年も前、いや、まだ1年・・・というべきか。。。 涙とともに読…

ミモザの花が散ったあとに 14

川の方角を眺めたまま、佇んでる僕に、篠原さんは「時間ある?ちょっと休んでいこか」と護岸を指さした。僕は「えぇ、もちろん」そう云いながら空を見上げた。太陽は厚い雲に覆われているものの、まだ高い位置にある筈。自分の時間について云うならたっぷり…