小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

そして、池上線75

「それよりさぁ、来月行くんでしょ新作展」 「もう待ちきれないって。貴方との再会、すんごく楽しみにしてられたわ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 寝返りを打つたびに、西崎とも代の言葉が浮かび上がった。いや正確に…

そして、池上線74

「マブっちゃん、あんたが惚れるの無理ないね、実に魅力的な女性だわさ」 なに事も無さげに言った西崎の声が、がらんとした事務所に響き渡った。 な、なぜそれを。。。。ぐふっとむせ返るような息遣いが横で鳴った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…

そして、池上線73

ふと気付き時計を確認すれば、約束の10分前だった。 あ! なんとまぁ。肝心の馬渕がのんびりと構えているものだから、うっかりするところだった。「そろそろ、時間では?西崎先生ち」 だが馬渕は森島に「先生の帰りまだかな?連絡は?」のんびりとした口調…