小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

狂二 エピローグ

その後 府警の捜査員が倉庫の片隅で気絶し倒れていた当事件の首謀者・キムドンゴン 【(28歳)元北朝鮮の秘密工作員現在は 国際テロ組織アレカイーナの亜細亜局長】の身柄を確保した。全身数箇所に打撲の跡があるものの、命に別状はない模様。取調べを進めていくうち、恐るべきテロ計画の全貌があきらかになった。


先ず 対戦車ロケット砲数十組の部品を大阪の物流倉庫に一般貨物に紛れさせ送り込んだあと、夜中にそれを強奪。組み立てた後、日本各地の原子力発電施設を襲撃し、放射能の危機で日本中をパニックに陥れる。。。と言うものだった。尚 すべてを自白したキムドンゴン容疑者は 今回の襲撃計画を未然に塞いだ 日本の青年に対し、“日本人の大多数特に若者は軟弱者で 争いごとには一切興味なし。。”という事前の調査データとは全く正反対の若者に遭遇してしまったことが 最大の失敗要因と嘆いた。 なお、自分から小型爆弾を取り上げ、窓を突き破り 海に飛び込み そのまま行方不明のままの その青年の安否を心配し、毎夜涙ぐんでいるらしい。。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2007年 12月24日22:21

街は穏やかに晴れていた。繁華街の喧騒から ようやく抜け出てきた 古庄多美恵は予約し、やっと手に入れた桑田佳祐のCDのケースを抱きしめた。
「今年も独りかぁ・・・」マンションに帰宅後 はやる心を抑え CDプレイヤーにそっと挿入する。。。
 軽やかで そのくせしっかりとした ピアノのイントロに続き桑田の歌声が 響いた。 
多美恵の心のすきま風に、確かに しっかりと優しかった。その優しさが ソファーに沈み込み、いまにも泣き崩れそうな身体を支えてた。。。。
 曲が止む・・・・ピンポーン。。。。。 今にも 狂二が 「遅くなっちゃって。。。」 
そんな予感が 今夜も訪れた・・・・・
 日本の危機を救った英雄だもの。。。 簡単に死なないわよね。
とつぶやいていた。