小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

なぜ家島だったのか

2008年2月。とある寒い朝、仕事前のひと時 休憩室のストーブの前で僕は 体を丸め、地図を眺めていた。 (特にあてもなく、単なる暇つぶしとして) すると、ふと大阪湾の文字と、地図が目に入った。

大阪湾か・・・・ふと、年末に終了させた 「狂二」の事が 頭をよぎった。 中途半端な終り方をさせてしまったけど、もし大阪湾に飛び込んだ後、 もし生きているとすれば 一体今頃は何処を漂っているのだろう・・・ などと、現実とバーチャルの境目 妄想に近い思考をめぐらせた。

大阪湾
流れ着くとして、神戸・・・いや 明石大橋・・・ さらに ページの左に目をやった。

姫路・・・懐かしい (新人の頃 営業の手伝いで何度か訪問した駅前百貨店にひと目惚れしてしまった店員がいた。勿論 叶わぬ一方的な恋で終わった) 姫路・・・言葉の響きには 得もいえぬ感情が湧き、今でも当時の記憶が瞼に蘇る。

そして 海側に目をやれば、家島諸島が・・・

播磨灘 ←クリックで拡大 突然 頭の隅で フラッシュが焚かれ、バチンッと何やら弾ける音がした。

ここだ・・・ 島には 屈強な体の老漁師が居て、島の隅っこで ひっそりと暮らす。 狂二を助け、すくい上げるには この島の漁師だ・・・

いや まてよ。

独り暮らしでは 狂二たち身の回りの世話はどうする・・

年老いた連れ合い・・・ いや それでは 荷が重い。 娘・・・うーん。

! わけありの 孫娘という設定はどうだろう。

こ、これだ・・・

と、まあ 頭の中で 二、三話のストーリーが勝手に出来上がってしまっていた。

それまでは 続編など とてもとても 自信もなく 思いもよらなかったのですが、何故か 書ける気がしてしまった。

で、案の定 3話、4話ぐらいで 行き詰ってしまい

地獄と苦難の泥道をのろのろと歩むのであった・・・・。

で、なにゆえ そもそも 狂二シリーズが突如として始まったのか?・・・

それについては、いずれまた・・・