小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2011-02-11から1日間の記事一覧

狂二 Ⅲ 断崖編 その7

目覚ましの電子音が、午前6時の空気を切り裂く前に、 額の冷たいタオルが浩二の目を覚ました。多美恵と目が合った。 「あ、ごめん起こしちゃった?」 「ずっと起きて居たのか」 眠る前の不快感は少し消えていた。 「凄い汗をかいていたから」 「ありがとう…