小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ミモザの花が散ったあとに 25

部屋を出る高田の背中を見送りながらぼんやりとしていたものが、カタチとなって現れたと思った。しかし清水先輩は「これのどこが格好いいねん。。。わからんわ」ぼやきながら「課長もそう思いまっしゃろ」と中沢に同意を求めた。中沢は、いや、とかぶりを振…

ミモザの花が散ったあとに 24

「仕事着というより、米軍の払い下げやな。」清水のひと言に、営業部員たちは「あ、まさしくそれですやん」とか「信じられへん」「こんなん、ファッションとちゃうやん」など口々にぼやき始めた。中沢は?と見ると、手元に戻った写真をにらんだまま、ピクリ…