小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

続・狂二 波濤編43

佐々木淳一は校舎内に再び舞い戻った。消防団の二人に状況を説明する。「元刑事さん、相手が独りの今、チャンスじゃなかろうか」口ひげを蓄えた方が云った。若く見えるがもう40を超えているらしい。「バカ言え、島ちゃん 相手は拳銃持ってるんぞ」なあ、佐…

続・狂二 波濤編42

「今野慶一さん、もう一度録音テープお借り出来ますか」姫路署 捜査一課の応接室では刑事や職員達の出入りが激しくなっていた。病院から舞い戻った捜査一課の加納課長に 今野慶一はフトコロからネット掲示板からプリントアウトした用紙を見せながら、「大阪…

続・狂二 波濤編41

民宿“はせ川”の 女将 長谷川千代は 笑顔でヒロシを迎えてくれた。「あれまあ、お客さん 海 相当荒れたでしょう。ようお越し」「少し早いが、あいにくの天気や。着替えと 荷物を置かせてもらいに来た」「へえへえ、どうぞどうぞ かましまへん」「女将さん な…

続・狂二 波濤編40

雨は小止みになっているものの、風は相変わらず強い。当然、小型漁船を改造しただけの 通学船も波に揉まれ、木の葉のごとく、揺れた。「姉ちゃん・・・」同じタケ島に住む 小学生らがサヤカにしがみついて来た。 よろず屋、彦さんちの近所に住む子らだ。「大…