小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

続・狂二 波濤編31

「えっ 家島・・・」高城から 家島について聞かれた 田嶋社長は あきらかに動揺の表情を見せた。「高城君 その話、今で無ければダメなのか」「築港冷凍のあの青年 家島に居るのですわ」役員会議を終え 社長室に二人して戻った時、高城の方から切り出した。情…

続・狂二 波濤編30

ぽつりと来た雨粒は大粒だった。 風が波をうねらせ 見上げた雲は 真っ黒だった。 ゴンこと、コウジ(狂二)は それでも和船の“櫓こぎ”の鍛錬を続けた。 波間での修練が 意味の無い様で とてつもなく意味のある事の ように思えた。 2時間も和船を操っている…

続・狂二 波濤編29

サヤカが家島に初めて来たのは まだ小学5年だったそれから 月日が流れ4月から とうとう中学3年生になった。だが生徒として校舎の門をくぐり抜けたのは、中学一年の5月以降 久しぶりの事だった。 いわゆる登校拒否生徒ではあったが、その原因は学校側には…