小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2012-02-11から1日間の記事一覧

ミモザの咲く頃に その6

至福の2時間はあっと言う間だった。耳の奥からは鍵盤の音がまだ鳴り響いている気がした。応接室に上着と鞄を取るため廊下に出た時だった。「あのうもしよかったら夕食ご一緒しません?」上目づかいで美央が訊いた。思いもよらない言葉に初めて腹が減ってい…