裏門の壁を“ぶっ壊し”突入してきたダンプ。そこから完全武装の乱入者達を見つけた二人は一瞬で氷つく・・・
「まじっかよ、とりあえず電話だ!」猛ダッシュで狂二が事務所に駆ける。
「おーい 置いていくなよ」竜一も必死の形相で追いかける。
電話機の受話器をあげ 『え~と、百とうばん・・・119いや117・・・」「ばッきゃーろ、110・・」よこせ 叫びながら竜一がひったくる。
受話器を上げるが“・・・・・・・・・・”無応答だった。
あかん 壊れている。。。そっちの電話やッ狂二の手元にあった電話機の受話器を上げてみる。“・・・・・・・・・・”同じ様に無応答。鼓膜の動悸音だけが虚しく響く。
「ま、まさか 電話回線切られたか・・・」
「おいッお前。ケータイ持ってるか」
「あ、あるある、昨夜もらい立ての・・・」言いながらズボンのポケットから取り出す。
[!・・・・・・・・・]
「どうしたッ」
「く、くそッ。さっきの回し蹴りで。。。」
二つ折りの留め具がバラバラになっており 開いたトタンに分離してしまった。壊れた携帯を握り締め 肩を落とす狂二。
「おい、このケータイは・・・」言いかけた時だった。一発の銃声が聞こえ、続いて女性従業員達の悲鳴が聞こえる。事務所棟の西側にある作業棟からだった。
「ここではこんな時間に仕事かぁッ」
「ああ、冷凍食品パックの段ボール詰め・・・あっこは殆んどパートのオバちゃんばかり。。やばいッ」叫びながら西側に駆け出そうとする狂二。
「ま、待てッ いきなり飛び込んだところで なんもならんだろがぁッ」
狂二の腕を掴む竜一。「しかし・・・」
「少し、冷静になろう、いきなり彼女らを殺しはせんやろ、で、何故奴らが入ってくるんや、ココ・・」
「さっきから 俺も考えてた 考えられるは・・・不審貨物・・」
「やばい荷物も扱ってたのかぁ」
「ちゃ、ちゃう。数日前から 不審な貨物が届いて・・」
「大阪府警に呼び出されたちゅうあれか。で、それは まだココにあるんか」 「しっかり保管してある・・・」
「中味は ヤクなんか」
「多分 違う ・・・ズッシリと重い・・機械の一部品か、何かや思う」
「多分 兵器か、銃かも。じゃあ奴らは どこかのテロリストか・・・」
「これて 夢なんかな」
「ぐわー 白浜にまだ居ればよかったぜぇ・・・」
「さっさと荷物差し出して じゃあ また・・・・て、訳には行かんやろなぁ・・」数人の足音が聞こえ、事務所棟に近づいて来た。
「とりあえず 闘うしかないすね、若ボン」
「若ボンはやめろって・・・でたった二人で奴らと やるんちゅうんか」
「ダイハードでは たった一人で立ち向かってたやん、それに比べりゃ・・・」「いや、独りとちがうでぇ・・ 太っちょの警官も・・・」
「おー 居た居た・・・俺 あいつのファンや」
絶対絶命を紛らわすかの 二人の笑い声が 深夜の事務所に響いていた。
つづく