小説の杜

旧 kazami-k 小説の杜から越して来ました

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

そして、池上線21

『たまちぃ、たまち。』 少し間延びの、車掌の声を聞きながら、いつもの反対側、西口に向かおうと決めた。 当時、Mと共同暮らしの学生寮は山手線、田町駅の東側。 運河、埠頭がすぐ迫る倉庫街へと向かう場所にあり、 レコード店はおろか、当時コンビニの一軒…

「そして、池上線」連載20回記念!そして、池上線のあれやこれや

とある通勤の朝、IPODから流れる お気に入り『池上線』を聴きながら、 あ 。この歌を題材に、ひとつ物語りが書けるのでは? と、ひらめいたのだった。 だがナァ とも思う。 あまりにも 直球勝負の題材なのだ。 歌の世界で、すでに物語りとして完結してし…

そして、池上線20

「え?トッキュウ、イケガミセン・・・」 高野さんが、じゃあ五反田まで一緒だね、と言い そのあとの言葉が聞き取れず聞き直したのだった。 「ちがう、東急の池上線」 今、思い出せばなにか可笑しい。高野さんはムキになって説明した。 「聴いたことない?歌…

そして、池上線19

「バスケ、入部の初日で辞めた。んで伝説的な笑い者に」 「あー。思い出した。それ。片思いだった子に根性なして笑われ、バカにされたとか。 まさかそれ大学まで引っ張ってたん?」 「うん。まあ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そう、その頃の私…